誰か一人が……-2

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その大剣が振り下ろされる瞬間、まるで映像のようにこれまでの出来事が頭の中で流れ始めたんだ。 ブラックアウトを知る事になったきっかけから始めるまで。 そして、ブラックスターのメンバーたちの出会い。 チーム対抗戦。メンバー内で揉め事もたくさんした記憶がある。 自分の力ではここまでだと悟った瞬間だったからだろう。 これが走馬灯というやつか。 先に行かせた天海たちが生き残り、京香を救出してくれる事が俺のせめてもの願い。 自分の中で死を覚悟したからこそ、そんな光景が目に浮かんでいるのだろう。 「――――!」 その時だった。 大剣と自分の間に真っ白な刀身が入り込んでくる。 直後、大剣の刀身と、真っ白な刀身がぶつかり合い、高い金属音が響き渡った。 「あきらめるのはまだ早いだろ! ヒカル!」 目の前に立っていたのは、渋谷和也だった。 俺が救ったはずなのに……。 何でこいつがここに居るんだよ……。 渋谷和也は、イエスの大剣を弾き飛ばして俺を見下ろしてきた。 「立てるか……? まだやれるだろ? お前なら」 そう言いながら、俺に手を差し出してきたんだ。
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