誰か一人が……-2

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「ハッ。お前にそんな事を言われるとは思ってなかったな」 渋谷和也の手を掴み、俺は神刀の刀身を杖のようにして地面に刺すと何とか立ち上がった。 こいつ……。 渋谷和也から放たれる体内エネルギーは、俺から見ても異色のものだった。 元々の渋谷和也のエネルギーに加えて、レッドキングダムの王の体内エネルギー。 そして、もうそこに加わった新しい要素がシャルキーの体内エネルギーだ。 シャルキーはブラックアウトを世界に存在する能力とは関係なしに、元から現実世界でそれに近いものを持っていた。 それが“予知能力だ”。 この予知能力が何を表すのかをずっと考えていたが、やっとはっきりした答えが見えてきた。 さらにシャルキーが過去の能力を手に入れる事も、レッドキングダムの王の力が与えられた事も……全ては決まっていた事なのか。 あれもアイツの仕業か……。 おそらくは俺以外の誰も気が付いてないだろう。 天海も……。 シャルキーの存在と、光刀が何振りか存在している意味に気が付いた俺だからこそ、たどり着ける答えだろう。 いや……違うな。 なぜ辿り着いたのか……。 それは、神刀を与えられた理由を俺が知っているからか……。
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