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その時だった。
渋谷和也の周囲に漂っていた白煙が、巨大な拳のような形になり、斬りかかろうとしていたイエスの真横から襲いかかった。
思いもよらぬ方向から攻撃を受けたイエスは、拳の形となった白煙の攻撃をもろに喰らって、吹き飛ばされていく。
人の体の半分ほどの大きさをした拳ば殴った場所は、イエスの首から上だった。
衝撃的な瞬間。首から上だけをピンポイントで殴られたイエスの首は異様な方向に折れ曲がる。
その瞬間、殴られたイエスは空中で姿を消失させた。
白煙を硬質化させる事で、自分と距離を詰めてきたイエスの対応をしたのか。
あの拳は明らかに首から上だけを正確に狙った。
確かにレベル8万以上あろうとも、首から上に致命的なダメージを負えば、一撃で殺せる。
でも、俺は見ていた。
首を折られたイエスは、予想外からの方向の攻撃に気が付き、殴られる直前に自分の全身を心力で覆ってしっかりと防御はしていた。
あの白煙には、その心力を破るほどの攻撃力があった事には間違いない。
渋谷和也が地に着地した瞬間を狙い、今度は正面から来ていた二人のイエスが襲いかかってくる。
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