誰か一人が……-2

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俺は刀身の切っ先に手の平を当てて、強引に押し出しその剣を引き抜いた。 その瞬間、信じられないほどの血が飛び出し、地面が染まっていく。 足元がおぼつかない中、俺は背後に落ちた剣の形を確認した。 やはり、イエスが持っていた大剣だ。 いつの間にコピーしたんだ……? いつの間に俺の背後から攻撃を仕掛けたんだ……? もう訳が分からない……。 致命的ダメージなのは明らかだ。 『ヒャハハハハハハハハ! まだイケるだろ! クソ野郎!』 神刀がアルティメットブレイクの力を勝手に使用して、貫かれた部分に密集させていく。 すると、少しだけだが息をするのが楽になった。 治癒しているわけじゃなさそうだが、アルティメットブレイクの力を膜に変化させて出血を止めるなどの最低限のことをやってくれたみたいだ。 なるほどな。この膜は傷口を塞いでくれているってわけか。 『これで少しはもつだろ! ヒャハハハハ! まだ戦える! あいつの血を奪え!』 地面に転んだイエスを見ると、にやにやとしながら俺の事を見ている。 こいつは最初から背後の大剣に期待をかけていた。 心力で全身を覆ったのは、俺を攻撃に集中させることで背後の大剣に気づかなせないためだろう。
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