誰か一人が……-2

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京香が居る場所まで……あと一歩のところだったのに……。 こいつさえ倒せば、京香に手が届いたのに……。 最初は信じられなかった。 ゲームの世界にお前が居るなんて。 それも一番最後の場所で待っているなんて……。 魔王を倒して姫を救う話しによく似ている。 俺が勇者で、京香が姫。 勇者は正義だ。正義は必ず勝つものと相場が決まっているはず。 だからこそ、俺は前に進み続けた。 今まで色々な事があったな。 俺、一人じゃここまで来れなかっただろう。 二宮、ルイ、空、天海、シャルキー、ユキヤ、ハルカ、卑弥呼……。 無茶ばかりしていた俺だけど……お前らがついて来てくれたおかげで俺はここに居るんだ。 それだけは間違いのない事実だ。 時には、チームで間違いを犯したかもしれない。 だけど、それだって全ては最後のラスボスを倒して京香を助けるためだった。 もし、誰かがお前らの事を否定したとしても、俺だけは正しいって主張してやる。 どんなに否定されても、俺だけはお前らの事が正しいと言ってやる。 「ここまでだな」 イエスの内の一人が、地面に倒れた俺の前で大剣を掲げた。
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