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一撃しかないんだ。それしか方法はないだろ?
『終の型か。私もそう思うな。リスクは高いがな』
終の型は、刀身に攻撃的なエネルギーを集約させて一気にそれを切っ先に集めて突きのような構えでそれを放つ技。
その為、イエスに近づいて攻撃をしなければ意味がない。
外せば、一瞬にして俺は殺されるだろう。
俺が足を前に踏み出すと、イエスは腰を落としてすぐに動けるような体勢をとった。
今の様子だと、イエスがこのエネルギーを素直に受け止めてくれる事は無さそうだな。
光刀を警戒している事だけは間違いない。
俺の攻撃を避けてから確実に仕留めようと思っているのか……?
だとしたら、俺から仕掛けるべきじゃないのか……?
「――――!」
急に刀身が重たくなり、俺はその異変に反応して光刀に視線を落とした。
なんだ?
刀身に集まっていたエネルギーが破裂するように暴れはじめている。
『3種類の体内エネルギーが交わっている事から、そう長くは留めておくことができないんだ。そもそもは別々の人間が持っていたエネルギーだからな。時間がないぞ。おそらくこの状態が続けば、刀身に集めているエネルギーが飛散する』
くそっ。攻撃を仕掛けるタイミングさえもないのか。
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