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イエスの隙を待っている時間さえもない。
刀身のエネルギーが飛散してしまえば、それこそ終わりだろう。
全てが無駄になってしまう。
俺はさっきよりも重たくなった光刀を構え直した。
変形をして巨大化したイエスの肉体は、的として考えれば大きいのかもしれないが……。
あの大きさで俺よりも動くのが速いからな……。
どうすればイエスに攻撃を確実に当てる事ができるんだろう。
まず様子を見て攻撃を仕掛けるという事さえもできない。
いや……こっちから仕掛けていかないと、エネルギーが飛散してしまうんだ。
迷っている時間はない。
いくぞ。
俺は地面を勢いよく蹴り、イエスとの距離を一気に詰めた。
視界いっぱいに映し出されるイエスの肉体に、俺は切っ先を向けた。
直線的な攻撃だが、これしか方法はない。
その時、目の前からイエスの体が一瞬にして消えてしまう。
「――――!」
『上だ!』
俺は光刀の言葉に反応して、即座に空の方に視線を向けた。
舞うようにして空高く飛び上がっているイエス。
やっぱり俺よりもイエスの方がスピードが速い……!
『来るぞ!』
イエスはそのまま隕石のように落下してきた。
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