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俺が知りたいのは、何故、光刀の中に閉じ込めたって事だ。
今度は、はるかの姿が頭の中を過る。
「はるかはどこだ……!?」
今度は感情が抑え切れず、俺は思わず怒鳴り声を上げて黒田研究員に訊いてしまった。
「知りたいことは多いだろうな。特に君に関しては」
黒田研究員は冷静さを保っているように見えるが、何か気まずそうな顔をしている。
「佐々木はるかについてだが、残念ながら青井ユキヤに殺されたというのは事実だ」
しばらくすると、黒田研究員は簡潔にそう述べた。
「はるかが死んでいる……?」
分かってはいたけど、改めて突き付けられるように言われると胸が締め付けられる。
「だったら、何故……あの建物にはるかが居るんだ!!」
俺は、黒田研究員の向こう側に見える建物を指差してそう叫んだ。
「その情報を聞いたのはミケランジェロからかな? 確かに、佐々木はるかはあの建物内に死体を保存してある。ある為にね」
「ある為……?」
黒田研究員は、ゆっくりと俺の方に向かって歩いてきた。
「そうだ……君がここに来た時の為に佐々木はるかの死体は終末の木のエサにはせずに、保存しておいたんだ」
俺が来た時のために……?
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