終焉の宴

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「答えは簡単だよー。どれだけ人に対しても思いやりがあっても、どれだけ助けあっても、協調性があったとしても、結局はみんな自分の事しか考えていないんだー。レッドキングダムのような世界は決して外で作ることはできない。プレイヤー側が勝ったとしても、それは一時的な抵抗であって、結局は世界は何も変わらないまま滅びていく」 「滅びるなんて……」 「誰かが資源を使えば、それは間違いなく世界から消費されたものだ。誰かが人を殺せば、誰かが食事をすることができずに餓死で命を失えば、それは世界から消費されたことになる」 最初のうちは、もしかしたらリリルさんが誰かに操られているんじゃないかと思ったけど……。 違っていた。視界に映る人物は、間違いなくリリルさんで。 リリルさん自身の言葉で喋っている事が分かる。 「世界中の人間が優しさを持つ事なんてできないー。世界中の人間が人に思いやりを持つことなんてできない。世界中の人間がみんなの幸せを願うことなんてできない」 リリルさんの体の内側から、終末の木と同じエネルギーが溢れはじめる。 「だからこそ、決めたんだ。この世界を自分の手で変えようとー。この世界を管理しようと」 『最強のプレイヤーが世界の王か……』 光刀が心の中で小さくつぶやいた。
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