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そんなリリルさんの心の声が流れてくる。
どうして正しい者が敗北しなければならないんだ。
どうして他人の幸せを本気で願う人間が悪に屈しなければいけない。
おかしいじゃないか。
どうしてみんなで幸せになる事ができないのか。
誰かを失わなければ、幸せになれないなんて、そんなの間違っている。
「結局は自分一人の手で大切な誰かの笑顔を守ることなんてできないんだ。そうだ。世界が平等であるべきなのに、それを行う為には……」
リリルさんはあの日からずっと苦悩していた。
本当に大切な人たちを守るためには。
不幸せな人間をどうやったら幸せにできるのか。
「そうだ。誰かが管理すればいい。そうだ。終末の木さえあれば……」
世界を平等にする事ができる。
みんなが笑顔でいれる世界が……。
誰も悲しみで涙を流さない理想の世界を……。
「世界の王になる事さえできれば……」
その為ならば、最初に多少の犠牲が生まれるのはしょうがないことなんじゃないだろうか。
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