終焉の宴

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竹岳空の全身を使っての拳は、世界の王を貫くほどの威力だった。 杏奈が繰り出した水の攻撃は、おそらく身動きを取れなくするもの。 人の姿をした大きな光の、胸部辺りに大きな穴が空く。 世界の王がバランスを崩して倒れそうになる中、何とか踏みとどまる。 しかし、その隙を見逃しはしなかった。 今度はいつの間にか、仁が世界の王と距離を詰めていた。 右腕から放たれる黒いエネルギーは、世界の王の力とは真逆のもの。 黒いエネルギーが大きな爪へと変化すると、そのまま世界の王へ放たれた。 その爪が人の姿をした光の体に直撃すると、今度こそ地面に倒れるほどバランスを崩す。 胴体は真っ二つに割れて、水面が叩かれて激しく水しぶきが舞う。 しかし、その光は一瞬にして舞うと再び人の姿を取り戻した。 「ルイ! いって!」 「了解!」 パソコンを操作する天海が叫ぶと、羽柴ルイが舞うようにして能力を発動させた。 あいつの能力は……。 死体を操る能力だ。 まさにタイミングが絶妙だった。 人の姿を取り戻した光に向かって、6つの死体が飛び込んでいく。 その死体たちの体には、爆弾らしき物が取り付けられていた。
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