終焉の宴

7/34
前へ
/34ページ
次へ
湖の水は無くなり、辺り一帯が荒野になっていた。 しかし、神々しく輝く終末の木と黒田研究員の施設だけは綺麗にそのまま残っている。 それ以外は全てが消え去っていた。灰色の土が延々と広がっていた。 至るところで上がっている煙。 世界の王は元の姿を取り戻し、巨大な人の姿をした光として堂々と立っている。 「うっ」 近くにはボロボロになった仁、美沙、杏奈が地面に這いつくばっていた。 ヒカルは神刀があったおかげか、俺と同じように立っている。 しかし、その他のブラックスターのメンバーたちは戦える状態にないほどのダメージを負っているようだった。 優くんもボロボロになりながら、黒田研究員を守ったようだった。 一瞬にして壊滅的な被害を負ったプレイヤー側。 世界の王は、ルイと美沙が放った爆発を能力で自分の力にした。 それを飛散させて、こんな攻撃を放ってきた。 たったこれだけで実力の差を見せつけられたような気がする。 「ちきしょう……」 ヒカルは神刀の切っ先を地面に刺して、殺気に満ちた瞳で世界の王を睨む。 その姿を、世界の王は無慈悲に見下ろす。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

665人が本棚に入れています
本棚に追加