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『またな』
「ん?」
俺は立ち止まり、もう一度だけ木の幹の方を振り返った。
「光刀……?」
今、何か聞こえた気がするけど……。
「パパー! 遅い!」
俺はその怒鳴り声に気付き、慌てて走り始めた。
丘を下りて、草原を走り抜けていく。
優し風がふいて、眩しい光が大地を照らし出す。
今日もあなたにとって変わらぬ毎日が続きますように。
今日も笑顔でいられますように。
「ねえー、いつもあの木に何を話しかけているのー?」
「それは秘密だよ。友達との会話だからね」
俺は二人の手をとって歩き始めた。
「さあて、帰ったらみんなでご飯だー!」
握り締めた片方の小さな手は、俺と俺の大切な人の子供……。
そして、もう一つは……。
隣には、はるかが立っている。
人を思いやる気持ちって何なのか俺もよく分からない。
でも、大切な誰かが笑顔で居ると、それだけで幸せになる。
それが大切なんじゃないかな。
視界に映し出された青空は、今日も美しかった。
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GAME CLEAR
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