ストーカー犬

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 * * *  応接間でテレビを見ていると、突然テレビ画面が消えた。 「ちょっと、いいかしら」  由香里の顔が怖い。 「あなた、どういうつもり?」 「どういうつもりと言いますと?」 「あら、とぼけるつもり?あの犬連れてきたのあなたでしょ?」 「えっ?いや、連れてきたというか、ついてきたというか…」 「はっきり、しゃべりなさい」 「はい!私が連れてきました」 「で、どうするの?」 「どうすると言いますと」 「飼うの?捨てるの?」 「いや、あまりそこまで考えては…」 「考えもなしに、犬を連れて来るんじゃありません!」 「はい、すいません!」 「翔太は飼う気満々よ」 「そうか…」 「そうかじゃないでしょ。誰が面倒見るのよ」 「いや、そこまで考えてはなくて…」 「あんたは小学生か!」  由香里の厳しい尋問は、深夜まで続いた。
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