幼馴染

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 幼馴染に告白してしまったことを後悔している。  あれからボクらは気まずい。  あんなにいつも二人で戯れあっていたのに今は本一冊がボクらの距離を作っている。  最大の勇気を振り絞った告白だった。  でもこのまま二人の距離が離れてしまうくらいなら告白なんてしなければよかった。  あいつが他の人に言い寄られたりしなければ。  告白してきた人はスポーツ万能で笑顔も素敵だ。クラスのみんなの人気者。それに比べてボクは暗い。 「昨日はごめん、困らせちゃって」 「なんで? 少しも困らないよ」 「でもあの人の方がキミは似合うよ、うん、ボクなんかよりずっと」 「誰がそんなこと言ったの?」 「えっ」 「俺もずっとお前のこと好きだった」  本で距離を作っていたのはボクの方だった。  ボクは眼鏡が曇っていくのがわかる。体中が熱くなって蒸気したせいだ。  でもよかった。その方がこの嬉し涙を見られなくてすむから。
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