バーサス!

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「はい。 どうにか……」 苦笑いする女の子。 「それはよかった」 まぁ、どうにかってのが気にはなるが無事ならよかった。 「あの……」 女の子は穴が開きそうなくらい俺を見ている。 「ん?」 目力の強さに俺は圧倒される。 「友達になってもらえませんか?」 女の子は顔を真っ赤にする。 「あ? 別に構わないけど……」 友達になるくらいどうもないだろ? 変わった子だな。 「よかった……」 満面の笑みを浮かべる女の子。 「よ、よろしくな。 今度、ご飯でも食べに行こうぜ」 柔らかい笑顔に不覚にもときめいてしまった。 勢いでメシまで誘ってしまった。 何してんだよ、俺。 「はい! 喜んで!」 嬉しそうに答えてくれる女の子。 ふぅ。 ドン引きされずによかったぜ……。 「連絡先教えて」 さり気なく俺は尋ねる。 連絡先知らないと意味ないもんな。 「あ、はい」 女の子も嫌な顔せずに教えてくれた。 三宅 真衣(みやけ まい)。 真衣ちゃんか。 連絡先を交換した俺は部活に戻る為真衣ちゃんと一旦別れた。 「見せつけてくれるねー」 今まで黙ってやり取りを見ていた祐介が俺を肘でつつく。
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