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「でもさ、それった今更の話じゃなくない?」
不思議そうな顔で祐介は俺を見る。
放課後、俺と祐介は中庭でお話し中。
ふとさっきの話をしていた。
「そりゃそうだけどよ。
どうして、祐介はのほほーんとしていられるんだ?」
マイペースな祐介。
俺、結構悩んでるんだけどな……。
「んー。
周りがどうこう言ったって僕たちの関係が変わるわけではないし、僕はたっちゃんの事尊敬してるもん」
腕組みをして祐介は答える。
「尊敬?」
祐介が俺を尊敬?
そんなバカな……。
「僕には持てないものをたくさんたっちゃんは持っている。
僕、見た目がこんなだからよくギャップが気持ち悪いって言われるけどたっちゃんはそんなこと一度も言ったことないじゃん。
そういうたっちゃんの優しいとこ最高だよ」
満面の笑みで祐介は言う。
「お利口さんすぎるだろ、祐介」
祐介の無垢な笑顔に俺は何となく罪悪感さえ感じる。
「事実無根の話をしているだけさ」
うんうんと頷く祐介。
何を納得しているんだか……。
「俺、祐介に勝てる気がしない」
俺は大きなため息をつく。
「どういう意味?」
きょとんとした顔で祐介は俺を見ている。
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