2人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
「あー。
そういえばそんなこともあったっけな。
何だ。
同じガッコだったのか。
私服だったからわかんなかったぜ」
そう言えばそんな記憶もあった。
数日前、ガッコから帰ってる時に偶然彼女を見かけた。
よく訳の分からない他校の男子生徒数名に取り囲まれていた。
しかもちょっとガラの悪そうな連中だった。
私服だったから友達同士話してるのかと思ってたけど、何か様子がおかしかったんだ。
よく見ると前祐介に絡んでた連中だった。
嫌な予感がした俺は奴らに声をかけたらどうやら俺の事覚えてたらしくそそくさと逃げていきやがったんだ。
「どうしても……。
どうしてもお礼が言いたくって。
うちのがっこの制服着てたから探してたんです」
そう言って女の子は顔を赤らめた。
探したのか……。
ご苦労な事だ。
「わざわざありがとな」
別に助けるつもりはなかったんだ。
結果的に助けることになってしまったけど。
わざわざ礼を言いに来るなんて律儀なもんだ。
「いえ。
あたしこそ助けてもらって……」
申し訳なさそうに女の子は言う。
「もうあれから大丈夫なのか?」
この子、何だか心配だよな。
この調子だとまた絡まれそうだな。
最初のコメントを投稿しよう!