駄菓子屋の空き瓶

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 ぼんやりと考えを巡らせる俺の鼻先で、おばあさんはくるくると瓶のふたを回した。それが完全に外れた瞬間。  全身が凄まじい力で引っ張られた気がした。  その衝撃に閉ざした目を開く。  目の前におばあさんがいた。でも、さっきとはまるでサイズが違う。  おばあさんが巨大化した?! いや、違う俺が縮んだんだ。しかも…俺、さっきの瓶の中にいる?! 「この瓶はねぇ、アンタみたいに、これが見える人間を捕まえるための品なんだよ」  頭上におばあさんの声が降る。  だけどそんなことを言われても何一つ意味が判らない。  空き瓶が見える人間を捕まえる?! 何のために?!  いやそれよりも、どうして俺はこんなサイズになり、瓶の中に入ってるんだ?!  そして何より、この先どうなる?!  疑問は山程あるのに解消する術がない。  ただ、必死にガラス瓶を叩くしかできない俺の頭の上で、瓶の蓋がくるくると閉められた。 駄菓子屋の空き瓶…完
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