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ピンポーンーー
お!きたきた!
「はぁーい!」
ヤバい、思ったよりも大きな声が出た。
「はい…」
玄関のドアを開けると、雪が嬉しそうにして立っていた。
「春兄、ただいま。さぁ、入って入って。」
雪の後ろから人形みたいな小さい女の子が出てきて、
こくりと会釈した。こちらも会釈を返す。
ドアが閉まると、雪がハツラツと紹介を始めた。
「こちら、僕の兄さんの、春兄。」
「どうも、初めまして、春雪です。」
お辞儀。
「こちら、僕の彼女の、歌子さんです。」
突然、お絵描き画用紙を胸の前に掲げられて、慌てて目を凝らす。
「あ、あぁ。梶谷、歌子さんね。よろしく。」
お辞儀。
なるほど……こういう感じで会話を成り立たせるわけか。
はい、いいえ、短い返事には紙を使わず、なるべく聞き取る。
長くなったり、漢字が絡んでくると、筆談に切り替えるってわけね。
了解。了解。
「さぁ、歌子さん、上がって! リビングに準備してあるから。」
頷き。そして彼女は靴を脱ぐと、雪がリビングに案内した。
ちっさ!
この子、身長何センチあるんだろう。
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