#06 * 春雪

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ピンポーンーー お!きたきた! 「はぁーい!」 ヤバい、思ったよりも大きな声が出た。 「はい…」 玄関のドアを開けると、雪が嬉しそうにして立っていた。 「春兄、ただいま。さぁ、入って入って。」 雪の後ろから人形みたいな小さい女の子が出てきて、 こくりと会釈した。こちらも会釈を返す。 ドアが閉まると、雪がハツラツと紹介を始めた。 「こちら、僕の兄さんの、春兄。」 「どうも、初めまして、春雪です。」 お辞儀。 「こちら、僕の彼女の、歌子さんです。」 突然、お絵描き画用紙を胸の前に掲げられて、慌てて目を凝らす。 「あ、あぁ。梶谷、歌子さんね。よろしく。」 お辞儀。 なるほど……こういう感じで会話を成り立たせるわけか。 はい、いいえ、短い返事には紙を使わず、なるべく聞き取る。 長くなったり、漢字が絡んでくると、筆談に切り替えるってわけね。 了解。了解。 「さぁ、歌子さん、上がって! リビングに準備してあるから。」 頷き。そして彼女は靴を脱ぐと、雪がリビングに案内した。 ちっさ! この子、身長何センチあるんだろう。
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