#06 * 春雪

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<やっぱり 春くんには きづかれる きがしてた> 「そう?俺、記憶力はいい方だからな。」 <春くん すぐにわかったよ かわらないんだね 春くんは> 「そうかな……自分では分からないけど。」 「お待たせ!遅くなってごめん……はい、これ、プレゼント。」 <ありがとう> 雪が戻ったから、話は中断した。 うたちゃんは丁寧に包装を開けると、驚いたように顔を上げた。 <このほん てづくり?> 「手作りっていうか、雪が書いたんだ。オリジナルで。」 「あまり自信ないんだけど……  歌子さんが読んだ事ない本が、分からなくて。」 <うれしい! かえったら よむね!> 「そうしてくれ。ここで読まれると、俺の居場所なくなるから。」 「やめてよ春兄!」 <?> 三人で遊ぶのは、10年ぶりか。 雪、ちゃんと思い出してやれ。 当時の彼女は、普通に声を出して話せる、普通の女の子だったこと。 彼女の声を、早く思い出してやれ。
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