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俺たちの家は三階建の一軒家。
一階にリビング、キッチン、父親の書斎、風呂、トイレ。
二階に父母の寝室、母親の仕事部屋、風呂、トイレ。
三階に俺と雪の部屋、空き部屋、トイレがある。
俺と雪は、元々16畳ある大部屋の真ん中に、
二段ベッドを置くことで仕切りを作り、
それぞれ東側と西側に学習机やら本棚を置いていた。
ドアは一つしかなく、俺は奥を陣取っていたので、
自分の部屋に行くには雪の陣地を通過し、
二段ベッドの横の、のれんをくぐらないといけなかった。
俺が中学に入った祝いとして、真ん中に壁を作る内装工事をし、
ドアを一つ増やして、完全に二部屋に区切ったのだ。
俺はシングルベッドを新しく買って貰い、
弟は二段ベッドをそのまま使っている。
「うわぁ、完全に物置と化してるな、俺の寝床。」
「元、でしょ。今は全然使ってないんだから。」
「今日、俺ここで寝ようと思ってたのに。」
「冗談きついよ、春兄。もう足が入りきらないでしょ。」
「まぁそうだな……お前と違って小柄じゃないからな。」
「……うるさいよ。」
「あっはは! 雪も、高校に入れば伸びるさ。」
こういう時は、頭をポンポンしてやれば、機嫌はすぐ直る。
変わってないな……俺も、雪も。
「何で入ってきたの。部屋戻りなよ、春兄。」
「お前の黒歴史を見に来たんだ。書くんだろ?」
「……まだ、決めてないよ……」
頑張れ。 頑張れ。
好きな人を、俺を、みんなを、あっと言わせてみろ。
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