暗闇の果てで君を想う

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「そなたの儀式の日程が決まった。二日後、そなたを神の御元へ送る」 抑揚のない声で告げられた言葉に、心は揺れなかった。 来るべき時が来た。浮かんだ言葉はただそれだけだった。 私を見据える瞳にあるのは村長(むらおさ)という役目を持った者の義務感ただ一つ。同じ人を見ているというよりは、穢らわしい道具を見ている気持ちですらあるのが感じられる。 下がっていいという村長に、頭を下げて室内を出た。 母屋で一番立派な庭に植えられた桜の木から、薄紅の花びらがひらひらと艶やかに舞っている。 柔らかな春の日差しが注がれている庭に吹く風が心地よい。桜に誘われるように、暫しの間庭を見続けた。 村長に見つかれば、早く部屋に戻れと叱られるだろう。 いつもの私ならすぐに部屋に戻るところだが、今日は魅入られたように目が離せない。 ・
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