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小国や大国に至るまでが島に列をなし、力を持つ姫の力を頼りにくる。汚い欲を持った者に限っては、敵対関係にあった、剣豪と謳われた英雄に一生武器を持てぬようにしてもらったという。
村は取引している諸国から不可侵条約で守られ、豊かになり、飢えに苦しむ者もいなくなった。一日遊び呆け、田畑を耕すのも放る怠け者もいる。昔では考えられない怠惰だ。
あと二日で母上の元へ召される私には関係ないがな。
十六年の間隔離された世界で生きてきた私だが、全く知らない外の世界になど未練はない。
ただ一つ未練を上げるとすれば、幼き頃からずっと傍にいてくれた空と居られなくなることだろうか。
「お前と過ごせる時間を失うのは寂しいな」
こんな私でも、お前のことになると欲が出るんだ。
きっと、二日後の私が思っていることも全てお前のことだろう。
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