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約束した場所は、あの駅の待合室。言葉通りに、彼女は僕を待っていた。
A「来てくれたんですね」
B「……まあ、ね」
A「返事を、聞かせてもらえますか」
彼女はいきなり核心を突く。
僕は決めていた通りに答えた。
B「断ろうと思ってる」
A「……どうして、ですか?」
B「君といた1ヶ月はすごく楽しかった。もっと一緒にいたいと思った。僕は多分、君が好きだ」
でも。
B「でも僕は、幽霊だから」
おそるおそる僕は彼女の表情を窺う。
そして唖然とした。
彼女はこれ以上ない呆れ顔をしていた。
A「そんなこと」
B「いやっ、僕なんかといたら、君は空中と話してる変な奴だって思われて」
A「関係ありません」
きっぱりと彼女は言い切る。
A「両思い、ってそれでいいじゃないですか」
そう言われては何も言い返せない。
とある涼しい夏の午後。
こうして僕らは付き合い始めた。
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