3人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
B「かーのじょっ!電車待ってるの?どこまで行くの?何だったら俺の車で送ってってあげようか?」
駅の小さな待合でいかにも軽薄そうな男が女子高生に声をかけた。
駅前のロータリーでは下卑た笑いの男が数人乗った車が停まっている。
A「・・・」
女子高生は全く無視して本を読み続けた。
B「無視しなくてもいいじゃん。俺達とどっか楽しいところ行こうよ。」
A「・・・」
B「おい、ちょっと可愛いからって調子こいてんじゃねえよ、このアマ!」
そう凄むと男は彼女の胸ぐらを掴もうとした。
すると、その手は空振りし、男の体は彼女をすり抜けて無様にベンチに転がった。
男は口をパクパクさせやっと叫んだ。
「で、出た~!」
男は脱兎のように駅前に停車中の自分の車に走った。
ドンッ!
突然、男の体に衝撃が走る。慌てて道に飛び出したので別の車に撥ねられたのだ。
一瞬彼女は音のした方をチラリと見て、またすぐに本に目を戻した。
最初のコメントを投稿しよう!