2人が本棚に入れています
本棚に追加
二人の間に流れる沈黙の中で僕は、会話のきっかけになるものを探した。
教室の中には、何も見当たらない。僕は、鞄から表紙に自由帳と書かれたノートを取り出した。
僕は、愛奈さんの名前を呼んだ。愛奈さんは、僕の方に向き直ってから、なに?と返事をした。
両親から名前の理由について聞いてきた事を愛奈さんに伝えた。
そうなの?と愛奈さんは、驚いたようすで、僕が手に持っていたノートを見てから、懐かしいと言った。
少し興奮しながら、愛奈さんは、見せてと言って僕の手に持っていたノートを手渡指差した。
僕は、手に持っていたノートを開いてから、名前の意味のページを見せた状態で愛奈さんに手渡した。
愛奈さんは、僕が簡単に書き記した名前の意味を見て『へぇー。良い名前だね。次のページも見ていいかな?』と言った。
その言葉を聞いてから、僕は、慌てて愛奈さんの手元からノートを取り上げようとした。けれど、愛奈さんは、僕の返事を待たないで次のページを捲った。
最初のコメントを投稿しよう!