教室の戸を開けたら、そこには

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『これ。私?』  ノートの最初のページには、名前の意味が書かれている。その次のページには、愛奈さんの横顔を写した絵が描いてある。その次のページを捲っても絵が描いてある。その次も。その次も。僕のノートは、最初のページ以外、すべてが愛奈さんの絵で満たされていた。  愛奈さんは、ノートを読み終えて僕の方に顔を向けている。僕の歪んだような愛は、愛奈さんの笑顔さえも歪ませていた。  僕は、その笑顔を見て恋の終わりを予感した。 『あの、もういいですか?』  これで愛奈さんと会えるのが、最後だと思うと泣き崩れてしまいたかった。だから、もう去年のように泣き崩れるわけには、いかない。ノートを返してもらってから、教室を出ようと僕は、考えていた。  愛奈さんに近寄ってから、手を差し伸べてノートを返してもらおうとしていた。 『私の横顔。今、描けば?』  愛奈さんは、そう言ってから、驚きのあまり後ずさりをした僕の手を掴んで離さない。僕は、上手く描けなくてもいいですか?と愛奈さんに言ったあと、愛奈さんの反応を見ていた。  愛奈さんは、僕の言葉を最後まで聞いてから、僕にノートを手渡した。  愛奈さんが、僕にノートを手渡したあと、窓側の方に移動すると首を縦に振って窓の外を眺めている。僕は、急いで鞄の中から、ペンを取り出した。
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