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『こんにちは。愛奈です。あの時は、何も言わなかったことを後悔しています。そのせいであなたを傷つけてしまいました。
手紙で打ち明けることを許して。私は、幼なじみの命日にあの教室を訪れていました。
私は、自分が中学生だった頃を思い出しながら窓の外を見ていたの。また、あなたを傷つけてしまうかもしれない。そう思うと心が痛む。けれど、書いておきます。
怒らないでほしい。俊太くんがその幼なじみに似ていたの。ごめんなさい。あと、ハンカチを返すのが遅くなってごめんなさい。』
手紙は、そこで終わっていた。僕は、教室の窓から顔を出して叫んだ。
『愛奈さん!僕は、あなたのことが大好きでしたぁぁぁ!』
伝えられなかった想いを叫んだあと、頬から涙が伝って口に入った。
その味は、いつもと変わらない。ほろ苦い味だった。
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