根子成学園

まずは、制服に着替え。
それであっている？　顔を洗うのが先じゃない？
シャワー浴びたほうがよくない？

でも、遅刻しちゃう。ダッシュすれば間に合うかも。ならば着替えちゃえ。

ササっと制服に着替えてリビングへ向かう。

「おはよう～」という母の寝ぼけた声が苛立つ。
「もう、おはようじゃないでしょ。今日から学校なのに、なんで起こしてくれなかったのよ」

「えっ、そうだったっけ」
ダメだこりゃ。腹立つだけ無駄だ。
のんびりし過ぎな母にはうんざりだ。
大好きだけど、もっと……。ああ、なんでもいい。急がなきゃ。

「あんた、寝癖ついているわよ」
「えっ、寝癖！？」

ダメ、ダメ。今日は気にしない。遅刻はさけなきゃ。
家から十分あれば学校に着く。
今は、八時十五分。