教室の戸を開けたら、そこには

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「って、そうじゃねー!無視するんじゃねぇよ。おい、ゆみちゃん」 何度耳元で叫んでも、ゆみちゃんは見向きもしない。 それどころか、周りの友達も、他の生徒も、誰もこちらを見ようとしない。 まるで、何もいないかのように。 「なんだよ。揃いも揃って無視かよ。あーあーめんどくせーなーもー」 イライラに身を任せて教卓を思い切り蹴ってやった。 しかし、教卓は僅かに傾いただけで殆ど動かなかった。 「あれ?おかしーな。ぶっ飛ばすくらいには強く蹴ったんだがな」 ちっと舌打ちをし、俺は席についた。
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