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教室の戸を開けたら、そこにはいつもと変わらないざわめきがあった。
呆けて動けない私の後頭部に軽い衝撃。
「おはよ、なに突っ立ってんの?」
そこには小学生からの腐れ縁で、同じクラスになる頻度もやけに高い悪友がいた。
「…おはよ」
まだ状況を飲み込めずに刮目したまま小さな声で返事をすると、友人は変なのぉと笑いながら通り過ぎて行った。
その姿を目で追う。
快活な彼女によく似合うポニーテールが跳ねて、クラスメイトと挨拶を交わしている。
(なんだ、これは…)
ふと、自分の姿を見下ろすと学校指定のセーラー服を着て、同じく指定の上履きを履いている。
目の前の光景に溶け込んで、ただの群像となる、そのための制服。
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