カワルクラスメイト

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また、顔が消えていく。 見え始めたクラスメイトの顔が、また消えていく。 まるで僕の感情に反応しているかのように、影は輪郭を現したり消したりを繰り返す。 影を連れてくるって何だ? じゃあこいつらは、影を連れてきたからこんなに真っ黒なのか? 「影って何の事か、わかりません」 僕は先生であろう影に向かって、そうはっきりと言った。 椅子を蹴飛ばす勢いで、思い切り立ち上がる。 全員の視線が、先生に移る。 僕も真っ直ぐ、先生を睨む。 溶けた身体から突然現れた顔が、醜く笑った。 「仕方ないね……今日は、クラス全員から殴られるという事だけで勘弁しようか」 クラスの視線が、また僕に戻る。 僕が、殴られる? 意味が解らない。 わかってないのに、クラスメイトの拳が飛んでくる。 何で……? 意識が飛びかけた直前、クラス全員の顔が見える。 しかしそこに見知った顔は無く、醜く歪んだ顔ばかりだった。
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