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狸のような猫で他の猫たちから嫌われていた。
私は勇気を振り絞り、かま猫に尋ねました。
「事務長の黒猫、書記の白猫や虎猫や三毛猫は、どこにいるのですか」
かま猫は悲しそうな顔をして言いました。
「第六事務所が廃止され、みんな離散しました。みんな野良になり、みんな汚れてると噂されている」
私も悲しくなります。
「寒いでしょうね。朝と夜は」
かま猫は言いました。
「私は、かまどで寝ているので、暖かくて。事務長の黒猫は歳が歳なので心配しています。白猫たちは綺麗好きだから、寝床はあるのかと心を痛めております」
私は笑顔になります。
「かま猫さんは、いじめっ子たちの心配をされて優しいですね」
かま猫は笑顔になりました。
「こんにちは。女子高生ですか。お名前は……」
私は素直に教えます。
「花の女子高生よ。奈菜実っていうの」
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