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──彼女、学校では普段どんな人だった?
クラスの中心グループの一人だよ。僕とは違って活動的な明るい子で、でも少し不良っぽかったかな。
そんな彼女が声をかけてくれたことが嬉しくて、僕はノートをしまった後たまらず喋りかけたんだ。
「藤村さんは、どうしてここに?」
「私は彼氏待ってんの、部活早く終わるから教室にいろだってさ」
大したことは話してないはず。本当に雑談って感じで4、5回言葉のキャッチボールを交わしたぐらい。
一区切り話を終えて僕は荷物を肩にかけ直して教室を出ようとするんだ。
「ねぇ、一之瀬……」
小さく感傷的な声に引っ張られ僕は振り向くけど藤村さんはこっちを見なかった。
「今度、数学のノート写させてね」
「あ、うん」
純粋に藤村さんとの繋がりが出来たことが嬉しくて、廊下を歩く足取りは軽やかだったよ。
──戻るんだ。
……え。
──教室に戻るんだ。
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