第1章

12/35
前へ
/35ページ
次へ
「詳しくはわからないけど、芸能関係みたい。赤ちゃんから、新人モデルの発掘・プロモーションやら幅広くやってるみたい。」 「ふーん。」と竜一は鼻を鳴らした。アツアツのホットドッグを口にほうばった。朝から何も食べていないので腹がぺこぺこだった。 芸能界のことなどはまったくわからなかったがとにかく儲かっているのは間違いない。まあ、堅気の商売ではないな。その分自分の娘には全うに進んで欲しいと思っているのかもしれないな。そんな風に竜一は思った。 その後、優花が書いてきた新曲「水連が映る夕日」の歌詞を見てあげた。青春時代の若者が書きそうな幻想的な雰囲気の空想みたいな歌詞が書いてある。俺も高校生の頃はいろんな空想していたなと思いつつ歌詞を眺めた。こんな現実の金に苦労する生活になってしまったのはいつからだった思い出せなかった。青春・夢・友情そういったものが大切だった時期が懐かしかった。そしてその青春の只中にいる優花が羨ましかった。 多少、表現の仕方や韻の踏み方、比喩の仕方などでアレンジを加えてあげると優花は喜んだ。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加