第1章

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教室の戸を開けると、そこにはいつもと違う教室があった 別に可笑しくはない、なんせ今日は卒業式。黒板には40人が書いた落書き これ書いたのって3日前だっけ…… 「これで卒業だな!」 「おう、寂しくなるぜ」 卒業の日は2つに別れる。笑って卒業する奴、泣いて卒業する奴。俺?勿論笑って卒業ですが? 「はぁ~」 「もう……告白出来なかったのを後悔してもしょうがないでしょ」 あ~居るんだよな。卒業式の日に告白しようとする奴。ラブコメ大好きですかっての 「でも、もう会えなくなるんだよね」 「そうだね。彼、遠くに行っちゃうんだもんね」 遠くに行く奴?山田か?佐藤か?気になるな…… ん?そういえば机の上に花が飾ってあるよな。卒業祝いか?まあ先生が企画なんだろうけど正直邪魔だよな これじゃあ机で最後の昼寝が出来ないじゃないか 「ほら~席に着け。最後のホームルームやるぞー」 担任の先生が入って来る。最後の最後までマイペースだなこの人 「全くよ~。大変だったんだぞ?卒業式ってのは」 「お疲れ先生」 「どうせこの後飲みに行くんだろ?」 「まあな」 こんな馬鹿らしい会話に教室が笑いで包まれる。これも最後になるんだから悲しいもんだ 「さて、最後のホームルームだが……まあなんだ、卒業おめでとう。これくらいしか言えないがな」 「先生……また涙が」 「もう泣くな。ほら見ろ、あいつだって泣きそうになるだろ?」 「うぅ……はい……」 こっちに指を刺すな。別に泣きそうになってねーし 「よし、そろそろ終わろう。これで最後だ、39人で卒業おめでとう」 全くよ……39人で喜んでんじゃねーよ。まあ俺も嬉しいけどな、こいつらが生きて卒業出来た事が……
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