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教室の戸を開けると、そこにはいつもと違う教室があった
別に可笑しくはない、なんせ今日は卒業式。黒板には40人が書いた落書き
これ書いたのって3日前だっけ……
「これで卒業だな!」
「おう、寂しくなるぜ」
卒業の日は2つに別れる。笑って卒業する奴、泣いて卒業する奴。俺?勿論笑って卒業ですが?
「はぁ~」
「もう……告白出来なかったのを後悔してもしょうがないでしょ」
あ~居るんだよな。卒業式の日に告白しようとする奴。ラブコメ大好きですかっての
「でも、もう会えなくなるんだよね」
「そうだね。彼、遠くに行っちゃうんだもんね」
遠くに行く奴?山田か?佐藤か?気になるな……
ん?そういえば机の上に花が飾ってあるよな。卒業祝いか?まあ先生が企画なんだろうけど正直邪魔だよな
これじゃあ机で最後の昼寝が出来ないじゃないか
「ほら~席に着け。最後のホームルームやるぞー」
担任の先生が入って来る。最後の最後までマイペースだなこの人
「全くよ~。大変だったんだぞ?卒業式ってのは」
「お疲れ先生」
「どうせこの後飲みに行くんだろ?」
「まあな」
こんな馬鹿らしい会話に教室が笑いで包まれる。これも最後になるんだから悲しいもんだ
「さて、最後のホームルームだが……まあなんだ、卒業おめでとう。これくらいしか言えないがな」
「先生……また涙が」
「もう泣くな。ほら見ろ、あいつだって泣きそうになるだろ?」
「うぅ……はい……」
こっちに指を刺すな。別に泣きそうになってねーし
「よし、そろそろ終わろう。これで最後だ、39人で卒業おめでとう」
全くよ……39人で喜んでんじゃねーよ。まあ俺も嬉しいけどな、こいつらが生きて卒業出来た事が……
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