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「なんであの2人を表に出すんだ。タカキ1人ならまだいい。でも、なんで…」
「あは、それじゃまるでココが裏みたいな言い方だね」
「あのな、俺は真面目に…」
「研究、だよ」
イノオは俺の目を逸らすことなく言った。
「研究者として、研究をするのは当たり前でしょ?」
俺はこいつが何を考えているのかわからない。この瞳の奥に、何を考えているのか。
「…俺、お前のそういうとこ嫌い」
「あはは、ヒカルに嫌われちゃった、作ってあげたのにね」
「作ってほしいなんて頼んでない。それと、お前のこと嫌いなのは昔からだ」
「あれ、そうだっけ」
何が面白いのか、ニヤニヤしながらイノオは再びソファに横になった。いつかこいつを痛い目に合わせてやりたい。でも、それができない。俺はそうにプログラミングされてる訳ではなく、ただ単に、こいつが俺の何百倍も頭が良くて俺の行動を読むことができるからだ。悔しいことに俺はこいつより頭の良い奴を見たことがない、いや、世界中探してもいないと思う。
(俺は、こいつに、勝てない)
機械として生まれた俺は、生まれて目を開けた瞬間にそれを悟ったのだった。
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