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「えっ…それ、ほんと?」
あぁ、とヒカルくんは眉間に皺を寄せたまま厳しい顔でこちらを見ずに頷いた。右足はせわしなく床をコツコツと叩いている。
「タカキとダイちゃんを外で普通の生活をさせる、だとよ」
「い、いいの…?おれ、外に出れるの…?」
半分嬉しくて半分信じられない。久々に外に出られる、しかも、普通の生活ができる。
「でもな、それはタカキにとってかなりの負担がかかることになるんだぞ?タカキ1人ならまだしも、ダイちゃんと一緒に暮らすってことは…」
やっとヒカルくんと目が合ったと思ったら、眉間に皺を寄せているのは変わらず、悲しい表情だった。ヒカルくんは優しいから、きっとおれのことを心配してくてるんだと思う。
「お前なら断ることができる。今断っても、そのうちタカキだけで外で生活する許可は出ると思う。俺は、正直、タカキがそのリスクを負ってまで今回外に出る必要はないと思うんだ」
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