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ヒカルくんの両眼はビー玉みたいに綺麗だ。キラキラと光っている。本物の眼ではないからかもしれないけど。そこにおれが映るのは、いつだって少し躊躇う。おれは綺麗じゃないから。そこに映っちゃいけないんじゃないかって。 「…でも、もしおれが断ったら、アリオカくんが外に出る機会はなくなるんだよね」 その綺麗な瞳に映っている自分を見るのが耐えられなくなってヒカルくんから目を逸らした。 「アリオカくん、ずっと楽しみにしてるんだ、外に戻るの。おれが我慢すればアリオカくんが喜ぶなら、おれは我慢する」 「…タカキならそう言うと思った。後悔、すんなよ」 きっと後悔なんてしない。アリオカくんのためなら、おれはなんだってできると思うんだ。 (でも、ほんとは、) おれは、イノオくんの期待に応えたくて、褒められたくて、アリオカくんを使おうとしているのかもしれない。きっとヒカルくんも分かってるのだろう。それ以上引き止めはしなかった。
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