第1章

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「おーい!こっちだよー!!」 笑顔で手を振る女子生徒は、僕のクラスの佐藤さん。 「え!?佐藤さん!?」 佐藤さんは丁度僕の真下にいる。 このままでは、ぶつかってしまう。 「佐藤さん、危ない!!」 上空にいる僕がどんなに声を張り上げても、佐藤さんは聞こえていないみたいで、嬉しそうに僕に手を振り続けている。 (もう駄目だ…!ぶつかる…!) 僕は、ギュッと目を瞑る。 きっと、物凄い衝撃が僕を襲うんだろな、と覚悟していたのに、そんな事は全然無くて、柔らかいモノに包まれて、僕の自由落下は終わりを告げた。 恐る恐る目を開けると、そこには満面の笑顔の佐藤さんが居た。 「あははっ!降ってきた!」 「え?さ、佐藤さん…?」 そう、僕を包んだ柔らかいモノは、佐藤さんだった。 僕は佐藤さんに抱き付いている状態だ。 その事に気が付き、慌てて離れると、佐藤さんはプクッと頬を膨らませた。 「もー!折角願いが叶ったのに、もう終わりなの?」 「え…!?」 その仕草に赤面して、その言動に硬直する。 すると佐藤さんは、再び僕を抱き締めた。
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