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「おーい!こっちだよー!!」
笑顔で手を振る女子生徒は、僕のクラスの佐藤さん。
「え!?佐藤さん!?」
佐藤さんは丁度僕の真下にいる。
このままでは、ぶつかってしまう。
「佐藤さん、危ない!!」
上空にいる僕がどんなに声を張り上げても、佐藤さんは聞こえていないみたいで、嬉しそうに僕に手を振り続けている。
(もう駄目だ…!ぶつかる…!)
僕は、ギュッと目を瞑る。
きっと、物凄い衝撃が僕を襲うんだろな、と覚悟していたのに、そんな事は全然無くて、柔らかいモノに包まれて、僕の自由落下は終わりを告げた。
恐る恐る目を開けると、そこには満面の笑顔の佐藤さんが居た。
「あははっ!降ってきた!」
「え?さ、佐藤さん…?」
そう、僕を包んだ柔らかいモノは、佐藤さんだった。
僕は佐藤さんに抱き付いている状態だ。
その事に気が付き、慌てて離れると、佐藤さんはプクッと頬を膨らませた。
「もー!折角願いが叶ったのに、もう終わりなの?」
「え…!?」
その仕草に赤面して、その言動に硬直する。
すると佐藤さんは、再び僕を抱き締めた。
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