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「私ね、ずっとこうしたかったんだ。
でもね、恥ずかしくってこんな事出来ないから、空からキミが降って来ないかなーって思って見上げてたの。
そしたら、本当に降ってくるんだもん!
私、嬉しかったし、ビックリした!」
そう、嬉しそうに話す佐藤さんの胸に顔を埋めながら、僕は意識を胸から逸らす事に全神経を集中させていた。
「え…えと…教室の扉を開けたら、青空だったのは、佐藤さんのせいって事?」
「え?そうだったの?解んないけど、多分、私のせいなんじゃないかな?」
ごめんねぇ、と謝る佐藤さんは、あんまり悪びれてる様子は無くて、寧ろイタズラが成功したみたいな顔をしていて、敵わないな…と思った。
「そうだ。佐藤さん。今度は一緒に落ちようか。」
「え?うん!出来たら楽しそうだね!」
微笑む佐藤さんは、きっと既に落ちてる事に気付いていない。
「きっと、落としてみせるよ。」
僕は不敵に笑ってみせた。
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