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「わっ!?」
がたん
「!?」
俺よりも先に教室に誰かいた。
驚いた声と共に、何かを落とした音。
「相沢?」
先に教室にいた生徒は、相沢と言う女子。
ちょっと突っ張ってるような、不良っぽい雰囲気の…近寄りがたいクラスメイトだった。
「バッ…ビックリしたし!バカ!」
相沢は慌てて手元を片付け始める。
そこには花瓶と花。
俺に驚いて倒したみたい。
「わり…。誰か居るとか思わなくて。ってか、何してんの?」
「…別に」
ぶっきらぼうにそう言うと、手早く花を花瓶に挿して水を吸った新聞紙を丸めてゴミ箱に投げ入れた。
「…もしかして、教室の花を毎回変えてたのって、相沢?」
教室の片隅を彩るように、いつも花瓶に花が活けてあった。
花が枯れる手前でいつも新しい花に変わっていたのには気付いていたけど、誰がやってたのかまではみんな知らないと思う。
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