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「おい、山都の野郎が逃げたときのために、あいつの居候してる屋敷のほうに何人か、送っておけ」
「なぁ、屋敷に誰か居たときはどうするんだ? 聞いた話じゃ、山都の女がいるんだろ?」
「そのときは死なない程度に痛めつけて、自由だとよ」
「へぇ? それってやってしまってもいいのか?」
「聞いてなかったのか? あそこにいるのは小学生ばっかだぞ」
「そっちのほうがいいんだよ。ガキの指を少しずつナイフで切り落としていくのがなぁ。泣いて、わめいて、切り落としていくんだ。その悲鳴がたまらない」
「お前、えげつない趣味してんなぁ。やるんだったらあの白髪でもいいんじゃないか?」
「ありゃ、ダメだ。ガキみたいな容姿してるけど、匂いがババアの、あ? あのガキ、どこに行った?」
「わたくしなら、ここですよ」
ドンッと男の顔を踏んづけた。ギャアと悲鳴をあげる、男の顔を足場にしながら陰火はチェーンソーを振り上げた。
「なっ、テメェ!! チェーンソーなんてどこで用意しやがった!?」
と言いつつ、男はポケットに隠したナイフに手を伸ばしたが、
「五本」
「あん!?」
「貴方の指を今すぐ、切り落とす本数ですよ。ちょうど片手でナイフを握る本数です。勝負してみますか?」
チャキッとチェーンソーを構え、
「貴方が斬るのが早いか、わたくしかっ!!」
「くそがっ!!」
男が焦りにむちゃくちゃにナイフを振るうが、陰火は男の顔を蹴りつけて真上に飛んだ。足場にしていた男がよろめき、ナイフが顔面、目掛けて突き抜ける。
「て、てめぇ、俺を殺すきか!!」
「いや、あのガキがチェーンソーを」
「チェーンソーだぁ!? 適当なこと言ってるんじゃねぇぞ」
「そ、そんなことより、ガキが逃げた。追うぞ!!」
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