第1章 失恋の夜

2/5
10人が本棚に入れています
本棚に追加
/64ページ
1 失恋の夜 「・・・別れよう。 」 彼氏の基(もとい)から、 その言葉を聞いても、 言葉の意味はわかるけれど、 体が受け入れてくれなかった。 だって、 私たちの関係はこれで終わるとは思えなかった。 「・・な・・んで?」 私の家で夕食を食べて片付けをした直後の話だった。 基は目を伏せて、 床に何かあるかのように じっとフローリングを見つめている。 「その方がお互いの幸せだと思う。 今なら新しい人も見つけることができる。 」と言った。 私、 吉永美都(よしなが みと)は 緑川基(みどりかわ もとい)と、 大学時代から付き合いだして、 社会人5年目の27歳だ。
/64ページ

最初のコメントを投稿しよう!