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1 失恋の夜
「・・・別れよう。
」
彼氏の基(もとい)から、
その言葉を聞いても、
言葉の意味はわかるけれど、
体が受け入れてくれなかった。
だって、
私たちの関係はこれで終わるとは思えなかった。
「・・な・・んで?」
私の家で夕食を食べて片付けをした直後の話だった。
基は目を伏せて、
床に何かあるかのように
じっとフローリングを見つめている。
「その方がお互いの幸せだと思う。
今なら新しい人も見つけることができる。
」と言った。
私、
吉永美都(よしなが みと)は
緑川基(みどりかわ もとい)と、
大学時代から付き合いだして、
社会人5年目の27歳だ。
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