消失

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道を402から403へ折れる。ながいカーブの途中でエコパのまえを横切り、法多山へ繋がる道を突っ切って豊沢トンネルを抜ける。 ‥キッチンの冷蔵庫を物色していて、点けたはずのテレビが無音なのに気付かなかった。 テレビのまえでリモコン片手に暫くボケッとしてから、廊下に出た。 誰もいない。父が玄関を出る物音は聞かなかった。 停電ではないが、テレビの番組は映らない。広報もいつの間にか止んでいた。 暮頃。 暗い空はますます暗く、赤く染まりもしない。ぼくは急に怖くなって身の回りの品をまとめると、戸締りをしてヘルメットをかぶった。原チャリですぐそこの小学校に向かう。災害時の避難場所と決められているところだ。 しかし‥誰もいなかった。停電はしていないはずだ。街灯はついている。でも、もうこんなに暗いのに、学校のどこからも灯りは漏れていなかった。 ぼくは背筋が薄ら寒くなったが、少し離れたところにある中学校にまでまわってみた。‥誰もいなかった。 みんなは、お父さんはどこに待避したんだろう? ケータイはどこにも繋がらない‥。 ぼくは家に帰った。周りじゅうの人家に灯りはなく、街灯だけが明るかった。 家に帰って、ラジオをつけてみた。雑音しかしない。ソファーに横になり、テレビにはDVDをかけっぱなしにした。それでもフと、静寂がよぎるときがある。 そんなとき、遠くで祭りのお囃子ようなものが聴こえてきて‥ゾッとした。 そして‥眠りについてからどれくらいだったろう? ドオオオォォォンン‥ なにかものスゴい音で目覚めたけど、ぼくは起きあがることなく、また眠りに落ちた。
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