託された想い

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この小型のタブレットは『マテリアルシティ』が発明した代物だ。 科学や工学技術にも強い街だ。 科学技術の発展のお陰で、この街の生命線をなんとか保っている。 このタブレットの名前は『マテル』 『マテリアルシティ』の名称からきた。 もちろん、このことを知っている者もまた、俺だけかもしれない…… マテルの機能の一つのマップを使い探偵事務所へ向かっている。 街の風景が変わり果ててしまった。 道は覚えているが、迷う可能性がある。用心に越したことはない。 寒い夜空を見上げると、雪がただただ降り続ける。 そろそろ暖をとらないとマズイ…… 事務所までもう少しの距離だ。 急がないと…… ブーツの中は雪が溶けて水分を吸収している。 早く脱いで乾かしておきたい。 足の冷えは身体にあまり宜しくない。 血液の循環が悪くなる…… 歩くスピードを上げ、事務所へと急いだ。 事務所の中で暖をとらせてもらおう。 寒い夜道を何時間も歩いているんだ。 車は途中で大破し、長い距離を歩かされている。 今日は最悪な一日だ。 車で街に入るなり、二人の男に襲われ命がけで逃げてきた。 連中は突然アサルトライフルで発砲してきて、車を乗り捨て走って逃げてきた。 走って逃げてる時、後ろを振り向くと車には火がついていた。 街に来て早々ついてない…… 本当に、この街は変わった…… もう、俺の知っている街ではない……
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