第1章

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「アタシ優希、八乙女優希。 アンタこそアタシに声をかけといて答えない…は無いよね」 「あーハイハイ、木崎亮太な。 ん?八乙女…ってあの特待生と同じ名前か、たまたまか?」 いきなり顔の脇にダンっ!と音と共に踵が降って来た。 慌てて見上げると…すみません、白にイチゴ柄の可愛いのが丸見えなんですけど。 「…悪かったわね。 アタシがその、特待生だった奴よ」 「この学校始まって以来の授業料全額免除の特待生、がお前!?」 俺の声に優希の可愛い顔が明らかに不機嫌そうに崩れて、起こってますな表情になっている。 「昔の話よ、昔の… めんどいから止めたの、それでいいでしょう?」 「めんどい…」 「だって、チヤホヤされるのアタシの好みじゃないから。 ちょっと勉強が出来ただけであからさまに態度が違うの、嫌いだし」 それが俺と優希の出逢いだった。 それからズルズルと、ズルズルと優希のペースに巻き込まれ…
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