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「アタシ優希、八乙女優希。
アンタこそアタシに声をかけといて答えない…は無いよね」
「あーハイハイ、木崎亮太な。
ん?八乙女…ってあの特待生と同じ名前か、たまたまか?」
いきなり顔の脇にダンっ!と音と共に踵が降って来た。
慌てて見上げると…すみません、白にイチゴ柄の可愛いのが丸見えなんですけど。
「…悪かったわね。
アタシがその、特待生だった奴よ」
「この学校始まって以来の授業料全額免除の特待生、がお前!?」
俺の声に優希の可愛い顔が明らかに不機嫌そうに崩れて、起こってますな表情になっている。
「昔の話よ、昔の…
めんどいから止めたの、それでいいでしょう?」
「めんどい…」
「だって、チヤホヤされるのアタシの好みじゃないから。
ちょっと勉強が出来ただけであからさまに態度が違うの、嫌いだし」
それが俺と優希の出逢いだった。
それからズルズルと、ズルズルと優希のペースに巻き込まれ…
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