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アタシにだけアイツ…亮太は、普通に話かけてくれた。
アタシが特待生って知っていても、何も聞かないで付き合ってくれた。
「お前がめんどい…んだろ?
しゃーねーじゃん、そんなのは」
アイツの言葉が無かったらアタシがアタシで無くなってた、多分そう思う。
アタシの両親は2人とも旧帝大のエリートでアタシ達姉弟が勉強が出来て、同じ様にエリートになるのが当たり前だと考えてた。
「優希ちゃんは今日も満点!
本当に、貴女は頭の良い子だわ」
「一生懸命頑張りました…」
「そうね。
貴女は頭の良い子だし、直ぐに覚えるのよね…聞いてるの俊?」
アイツ…アタシの母親はテレビにもよく出てる、著名な教育評論家。
パパはエリート官僚、家の中はアイツに任せっきり。
だからアタシと弟の俊(しゅん)は小さな頃から習い事ばかり、遊んだ事さえ無かったんだよね。
俊は生まれつき身体が弱くって…
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