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「聞いてる、ママ。
僕の頑張りが足らなかったんだ」
「分かってるならやりなさい!」
俊は無茶をやってまで勉強して、でも…身体が気持ちには追いつかないから完璧じゃない。
アイツはアタシにだけはドス黒い期待をかけて俊には母親らしいとか、それさえ無かった。
※※※※※
「お姉ちゃんゴメンね…勉強していたのに」
夜、両親は相変わらず居ない。
俊が高熱を出して寝込んで、アタシは俊を看病していた。
「仕方ないよ、だって調子悪いんだし」
「知ってるんだ。
僕はあんまり長くないんだって。
お母さんは僕が頑張っても、こんな身体だから仕方ないって思ってる」
「俊、そんな事を言っちゃ駄目!」
「本当の事だもの…
僕、よくここまで生きられたってお父さんに言われたよ」
弱々しく笑う弟の顔を見られなくなって、目の中が涙で濁って来て…
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